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Subsection 4.1 あ行

  1. Example 4.1.1. 明らか.

    明らか, 自明(Obvious, Clear)
    本来は「誰がみてもすぐに分かるさま」を意味する言葉であるが、大学数学、とくに修士以降の本では「考えればすぐにわかる」とか、「読者の演習問題として残す」というニュアンスを含むことが多くなる。甚だ身勝手な使い方である。だがもしこの言葉を見たら、「ふーん、そうなんだ」で終わらず、自分で考える癖をつけていただきたい。
    (類) 容易
  2. Example 4.1.2. 一般化.

    一般化(generalization)
    ある命題や定義を包含する枠組みで、同様の結果を得ること。例えばピタゴラスの定理(\(a^2+b^2=c^2\))の一般化は余弦定理(\(a^2+b^2-2ab\cos(\gamma)=c^2\))であり、圏でのlimit/colimitは集合のDisjoin union/直積の一般化である、等。
    (対) 特殊化(specialization)
  3. Example 4.1.3. 一般性を失わない, 仮定してよい.

    一般性を失わない(without loss of generality), 〜と仮定してよい(one(we) may assume 〜)
    命題の証明において、同様だが複数のケースが考えられる場合、ある仮定Aをおいて状況を簡単にして、それで証明をし、残りのケースもAでの場合を使って示せる場合、「Aと仮定しても一般性を失わない」として議論が省略される。「他の場合も示せる」という状況は、例えば実数\(x,y\)についてなにがしかの命題Pを示したいとき、\(x\leq y\)とおくとその場合だけ証明できたとする。\(x\)\(y\)を入れ替えると\(y\leq x\)の場合も成り立つので、この仮定をおいて一般性を失っていないと言える。これも出てきたら自分で示せるとなおよい。