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Section 3.1 群作用

前に少し触れたように、パリティ追跡理論では盤面の集合に、パリティを表現した特定の群を「作用」させ、それについて考察することによってさまざまな性質を解明するものである。つまり、群が盤面の状態たちをどう動かすかを見るのである。 ほかにもこの章のコラムで少しだけ扱うGalois理論では、体を係数とする方程式の根の集合に、根を入れ替える操作(置換という)として「作用」するGalois群が出てくる。これも、Galois群が体上での根の間の代数的な関係(\(\alpha_1+\alpha_2=\sqrt(5)\)、等)を保ちながら、根をどう動かすかを見ているといえる。
このように、集合の元に関する「変化」を定量的に記述するのが群作用の概念である。この節では群作用を定義し、