Definition 2.2.1.
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分配法則が成り立つ。つまり、\(a(b+c)=ab+ac\)である。
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乗法の単位元が存在する。
乗法の交換法則(\(ab=ba\))の成り立つような環を可換環(commutative ring)という。環の定義は乗法逆元の存在を規定していないことに注意せよ。 -
環\(R\)が\(0\)以外の乗法逆元を持つなら\(R\)を可除環(division field)または、「不完全な体」のニュアンスをもって斜体(skew field)という。 この辺りには流派が存在するが、この本では断らない限り、環は常に可換なものを指すとしよう。したがって単に「体」というと、可換環で乗法逆元をもつ、今定義した普通の体を指す。
